諭旨退職と懲戒退職の違いがわからない?
転職時に不利になるのはどちら?
と疑問を抱えていませんか?この記事では、以下の内容をお届けします。
- 諭旨退職(諭旨解雇)とは何か
- 諭旨退職と懲戒退職の違い
- 退職金や転職時に不利になる理由
この記事を最後まで読むことで、諭旨退職と懲戒退職についての理解が深まり、失業保険や転職に関する適切な対応ができるようになりますよ。
ぜひ参考にしてみてください。
諭旨退職(諭旨解雇)とは?
諭旨退職とは、会社が従業員に退職をすすめる方法の1つです。
重大なミスや不正行為をした場合に使われます。従業員に「自ら退職するように」と説得し、自主退職に導くのです。
たとえば、会社の重要な情報を外部に漏らした場合や、長期的な無断欠勤が続いた場合に、諭旨退職が適用されることがあります。
諭旨退職を受け入れると、履歴書に「退職」と記載できます。解雇よりもイメージが良くなるため、解雇されそうな従業員にとってはメリットのある制度といえるでしょう。
ちなみに、履歴書の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
諭旨退職と懲戒退職の違い
諭旨退職とは、会社が従業員に自主的に退職するよう勧める方法です。
従業員がこれを拒否した場合、会社は解雇することができます。
一方、懲戒退職とは、会社が従業員を一方的に解雇することです。つまり、従業員側には拒否権がないということです。
諭旨退職と退職勧告の違い
退職勧告は、業績不振や人員整理のために、会社が従業員に退職を提案することです。
ここでは、従業員が退職を拒否しても、すぐに解雇されるわけではありません。
また、一般的に諭旨退職は不正行為が理由ですが、退職勧告は会社の事情が理由です。
そのため、退職勧告の方が穏やかで、退職時の要件も魅力的な可能性が高いです。
諭旨解雇の場合にもらえる退職金
退職金については、諭旨解雇では通常より少ないことが多いです。
会社の規定によりますが、一般的な退職よりも退職金が減額されることがあります。
一般の退職と比較すると、不利な条件になることが多いのです。
会社の規定により異なりますが、一般の退職金の50%~70%程度になることがあります。
厳しい会社の場合は、半分以下になることも珍しくありません。
そのため、諭旨解雇の際には退職金を確認しておくことが重要です。
諭旨解雇になることが多いシーン
諭旨解雇になることが多いシーンとして、以下4つが挙げられます。
- 勤務態度に問題がある
- 不正行為を行っている
- 違反行為を行っている
- ハラスメント行為を行っている
それぞれ詳しく解説します。
勤務態度に問題がある
勤務態度に問題がある場合、諭旨解雇になることが多いです。
具体的には、以下のような問題があります。
- 長期の無断欠勤
- 頻繁な遅刻
- 業務命令の無視
- 職場でのトラブル
- 仕事中の不適切な行動
これらの問題が続くと、諭旨解雇になることがあります。
不正行為を行っている
不正行為を行うと、諭旨解雇になることがあります。
一般的には、以下のようなものが不正う行為として取り上げられます。
- 会社のお金を盗む
- 経費を不正に使う
- 勤務時間を偽る
- 機密情報を外部に漏らす
- 虚偽の報告をする
これらの不正行為は重大な問題です。諭旨退職だけでなく、会社から訴えられる場合もあります。
違反行為を行っている
違反行為には以下のものがあります。
- 会社の規則を無視する
- 無断で仕事を休む
- 業務時間中に私用を行う
- 顧客情報を不適切に扱う
- 職場でのいじめやハラスメント
違反行為をした場合には、以下のような罰則が発生します。
- 減給
- 降格
- ボーナスの減額
- 諭旨解雇
- 懲戒解雇
特に懲戒解雇は履歴書に記載され、次の就職に大きな影響を与えることがあるため、注意しましょう。
ハラスメント行為を行っている
ハラスメント行為とは、他人を嫌な気持ちにさせる行動のことです。
職場でのハラスメント行為には以下のものがあります。
- 暴言を吐く
- 無視をする
- 身体的な接触を強制する
- 性的な発言をする
- いじめる
これらの行為は、ハラスメントとして認識されます。
ハラスメントを行うと、厳しい罰則を受けることがあります。従業員が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、ハラスメントに該当する行為は避けましょう。
諭旨解雇が認められる要件
上記のような具体的なケースでは、諭旨解雇になります。ここでは、諭旨解雇が認められるケースを3つ紹介します。
- 就業規則に明記されている
- 就業規則が従業員に周知されている
- 解雇権・懲戒権の濫用に該当しない
それぞれ詳しく解説します。
就業規則に明記されている
就業規則には諭旨解雇に該当する要件がしっかりと記載されています。
諭旨解雇を避けるためには、就業規則をよく理解し、守ることが重要です。
具体的な例としては、以下のものがあります。
- 重大な不正行為(例:会社のお金を横領する)
- 長期の無断欠勤(例:連続して10日以上の無断欠勤)
- 業務命令の無視(例:上司の指示を故意に無視する)
- 職場での暴力行為(例:同僚を殴る)
- 機密情報の漏洩(例:会社の重要な情報を外部に漏らす)
これらの行為が就業規則に明記されていれば、会社は諭旨解雇を行うことができます。
就業規則が従業員に周知されている
就業規則が従業員に周知されていることも重要なポイントです。
労働基準法第106条によれば、就業規則は周知義務
具体的には以下の方法で周知されます。
- 入社時に説明する
- 書面で配布する
- 社内掲示板に掲示する
- 社内イントラネットで公開する
これらの方法で就業規則が従業員に伝えられることが大切です。
従業員が規則を守るために、しっかりと確認することが必要です。
解雇権・懲戒権の濫用に該当しない
解雇権や懲戒権の濫用に該当しないためには、会社が正当な理由で適切な手続きを踏んで解雇や懲戒を行うことが必要です。
たとえば、従業員が重大な不正行為を行い、それが就業規則に明記されている場合、会社は正当な理由で解雇を行えます。また、長期の無断欠勤が続く場合も、解雇は正当とされることがあります。
正当な理由と手続きがある場合、解雇や懲戒は濫用に該当しません。
諭旨退職は失業保険では自己都合退職になる
諭旨退職とは、会社からの勧めで従業員が自主的に退職することです。
失業保険では、このような退職は「自己都合退職」として扱われます。
自己都合退職になる理由は、従業員が自ら退職を選んだと見なされるためです。
そのため、失業保険の受給開始が通常より遅くなります。
具体的には、諭旨退職の失業保険の給付制限期間は3か月となります。その理由は「自己の責めに帰すべき重大な理由による退職」に該当するからです。
自己都合退職については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
諭旨退職は転職時に不利になる
諭旨退職とは、会社の勧めで従業員が自主的に退職することです。
転職時に不利になる理由は、重大なミスや不正行為が原因で退職したと見なされるためです。
不利になる点としては、次のようなことがあります。
- 面接で退職理由を説明しにくい
- 採用担当者にネガティブな印象を与える
- 新しい職場で信頼を得にくくなる
そのため、諭旨退職が履歴書にあると、転職活動が難航する可能性があります。
失業保険の受給サポートは退職前アドバイザーがおすすめ!
失業保険をスムーズに受給するためには、退職前アドバイザーのサポートがとても役立ちます。
退職前アドバイザーでは、退職給付金の手続きの流れや、必要書類の準備のサポートをさせていただきます。
- 手続きのミスを防げる
- 最適な受給方法を提案する
- 退職後の不安を軽減できる
などさまざまなメリットがあり、累計2,000人以上が利用しているサービスですので、ぜひこの機会に公式LINEからご相談ください。
まとめ
この記事では、諭旨退職(諭旨解雇)について解説しました。
諭旨退職とは、会社が従業員に自主的な退職を促す制度で、重大なミスや不正行為が原因となることが多いです。諭旨解雇になってしまった場合は、適切な対処をとらなければ、懲戒解雇されてしまう危険性があります。
ぜひ、今回の内容も参考に、退職や転職の際には慎重に対応してみてくださいね。
コメント