出産手当金は退職しても受け取れるの?
出産手当金を受け取りたいけど、制度内容が複雑であまり理解できていない…
とお悩みの方も多いでしょう。
出産手当金は、原則として退職すると支給されない手当です。
しかし、要件を満たす場合は退職していても受け取れます。
この記事では、以下の内容をお届けします。
- 退職後に出産手当金がもらえる/もらえないケース
- 産休・育休を取得して退職すると使える制度
- 退職後に出産手当金をもらう方法
- 退職後、出産手当金をもらうために知っておきたいこと
- よくある質問
最後まで読むことで、退職しても制度を利用できる方法が理解できるはずです。
自分が出産手当金を受け取れるのか考えながら、ぜひ参考にしてみてください。
退職後でも要件を満たせば、出産手当金がもらえる
退職後でも要件を満たせば、出産手当金を受け取れます。
ここでは、もらえる/もらえないケースにわけて、わかりやすく解説します。
退職後に出産手当金がもらえるケース
まずは、退職後に出産手当金がもらえるケースを確認しましょう。
要件 | 補足 |
①退職日までに被保険者資格が継続して1年以上あること。 | 任意継続加入期間は除く。健康保険加入期間が1年以上である。 |
②退職日が出産手当金の申請可能期間中であること。 | 産前42日〜産後56日の間(産休期間内) |
③退職日に出勤していないこと。 | 退職日当日に出勤すると、たった1日で受け取れなくなる。 |
④退職し、被保険者資格を失った前日が①〜③の条件を満たしている。 | 退職以外の理由でも同様。(雇用形態の変化なども含む) |
退職後に出産手当金がもらえないケース
続いて、退職後に出産手当金がもらえないケースを見ていきます。
基本的には上記で紹介した要件を満たせば、問題なく受給できます。
しかし、少しでも手続きを失敗すると受け取れないことがあるため、もらえないケースを理解しておくことが重要です。
もらえないケース | 補足 |
1年以上継続して健康保険に加入していない。 | 1年以上勤めていない場合は受け取れない。 |
退職日当日に出勤した。 | 請求期間が継続されず、退職後分の手当は受け取れない。 |
妊娠4ヶ月未満で流産した。 | 妊娠4ヶ月以上(85日)以降であるため、受け取れない |
手続きを誤った場合、返金を求められることがあるため、理解しておきましょう。
産休・育休を取得して退職することで使える出産手当金以外の制度
産休・育休後に勤めていた会社に復帰するのが一般的な流れですが、状況によっては休業期間を経たのち、退職せざるをえないケースも少なくありません。
そういった場合、要件を満たせば出産手当金以外の制度を利用できる可能性があります。事前に理解しておくことで、退職後でも余裕を持って過ごせるはずです。
ここでは、産休・育休を取得して退職することで使える出産手当金以外の制度を2つ紹介します。
出産育児一時金
出産育児一時金は、子どもを出産した女性が受け取れる手当です。公的医療保険に加入しているすべての女性が受け取れます。
出産手当金は
12ヶ月の平均月収÷30日×2/3
と計算されるため、人によって支給される金額が変わりますが、出産育児一時金は子ども1人につき一律50万円(-1.2万円されるケースあり)が支給されます。
ちなみに、出産手当金と出産育児一時金は同時に受け取れるため、出産育児一時金の存在を知らない方は、ぜひチェックしてみてください。
育児休業給付金
育児休業給付金は、育児休業を取得し、かつ一定の要件を満たすことで受け取れます。
支給される要件は次のとおりです。
要件 | 補足 |
1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること。 | 2回まで分割取得可能 |
育児休業を開始した日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は就業した時間数が80時間以上の)月が12か月以上あること。 | 受給要件の緩和あり |
1支給単位期間中の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること。 | 支給単位期間:育児休業を開始した日から起算した1ヶ月ごとの期間(その1か月の間に育児休業終了日を含む場合はその育児休業終了日までの期間 |
参照:Q&A~育児休業給付~
退職後に出産手当金をもらうには?3ステップで解説
続いて、退職後に出産手当金をもらうには以下3つのステップを踏みましょう。
- 出産手当金支給申請書を会社に記入してもらう
- 病院へ出産手当金支給申請書を提出
- 健康保険組合や協会けんぽに書類を送付する
詳しく解説します。
①:出産手当金支給申請書を会社に記入してもらう
まずは、以前勤めていた会社に連絡し、出産手当金申請書の「事業主記入欄」を記入してもらいましょう。
この欄には給料額や申請期間中の労働有無を記入してもらうことになります。
②:病院へ出産手当金支給申請書を提出
出産後、病院に出産手当金支給申請書を提出し「医師・助産師の証明欄」を記入してもらいます。
事前に出産手当金について相談しておくとスムーズです。
③:健康保険組合や協会けんぽに書類を送付する
書類の「被保険者記入欄」へ必要事項を記入し、健康保険組合や協会けんぽに書類を送付します。
ちなみに、弊社が運営している「退職前アドバイザー」をご利用いただければ、出産手当金を受け取るために必要なサポートをいたします。
以下の公式LINEから給付金についての質問ができるので、ぜひお気軽にご相談ください。
退職後、出産手当金をもらうために知っておきたいこと
退職後、出産手当金をもらうことは、いわば特例措置であり、もらうためには以下3つの注意点を理解し、対策することが求められます。
- 出産手当金を受けていると扶養に入れないことがある
- 健康保険による給付は2年で時効になる
- 退職日に出勤すると出産手当金がもらえなくなる
それぞれ詳しく解説します。
出産手当金を受けていると扶養に入れないことがある
出産手当金は、出産で働けない期間の収入を補填することが目的の制度です。扶養に入っていると「収入がある」とみなされ、受け取れなくなります。
ただし、健康保険の被扶養者になる「年収130万円未満」を満たし、他に収入がなければ、扶養に入っても出産手当金を受け取れます。
詳しく知りたい方は、健康保険組合の窓口に相談してみてください。
健康保険による給付は2年で時効になる
健康保険による給付を受ける権利は2年で時効となります。出産手当金も健康保険による給付であり、仕事を休んだ日の翌日から2年以内に申請する必要があります。
退職日に出勤すると出産手当金がもらえなくなる
とても重要なため何度もお伝えしますが、退職日に出勤すると請求期間が継続されず支給を受けられなくなります。
「最後に職場の人に挨拶がしたい」という気持ちがある場合は「産休前に伝える」もしくは、産休・育休期間が終わったあと、数日働いてから退職する計画を立てると、感謝の気持ちを伝えられますよ。
退職後の出産手当金に関するよくある質問
最後に、退職後の出産手当金に関するよくある質問を2つ紹介します。
産休・育休をとった方が良いのでしょうか?
A:とる・とらないはその人の考え方によりますが「給付金を受け取る」という観点では、産休・育休をとった方がよいです。とらずに退職すると、もらえなくなるお金があるからです。
退職後に出産した場合、出産手当金を受け取れますか?
A:退職後に出産した場合は出産手当金を受け取れません。会社に在籍した状態で産休・育休を受け、そのまま退職した場合は要件を満たせば受け取れます。
退職後の給付金で困っているなら「退職前アドバイザー」がおすすめ
この記事では出産後に使える「出産手当金」に焦点を当てて紹介しましたが、産後に失業手当を受け取るなど、退職後に受け取れる給付金には様々な選択肢があります。
「退職前アドバイザー」では、退職後のライフプランをお聞きし、あなたにあった手当てを提案させていただきます。
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まとめ
最後に、今回ご紹介した内容をまとめます。
退職しても出産手当金を受け取るための要件は、次の4つです。
- 退職日までに被保険者資格が継続して1年以上あること。
- 退職日が出産手当金の申請可能期間中であること。
- 退職日に出勤していないこと。
- 退職し、被保険者資格を失った前日が①〜③の条件を満たしている。
上記の要件を満たす方は、退職しても出産手当金を受け取れます。ただし、誤って上記の要件を満たせなくなると、たった1度のミスで受け取れなくなるため、注意してくださいね。
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